「海神饗宴~三重の海の祭り」坂本博文写真展

■開催日時

2012年9月28日~2013年1月14日
※展示開催期間を変更しております。ご了承ください

■開催場所

海の博物館 特別展示室とギャラリー

■内容

近年、日本人の海に対する想いが、薄れつつあるようにおもえる。言い古された言葉であるが、四面環海の日本列島、その海辺の村から若者が去りつつある。若者が去って、海辺の祭りは一つづつ消えて行く。祭りはノスタルジ-でもイベントでもない。祭りは海辺の共同体が、明日と未来の繁栄のためにする願いなのだ。だから海の神々との饗宴に、惜しみなく御酒と馳走を献じ、歌舞音曲を演じる。そのエネルギ-に感じて、神々は大漁をもたらし災厄を除いてくれるのだ。饗応する海民たちも、神々と席を同じくして饗宴を楽しむ。これが祭りである。阪本さんの写真は、目に見えぬ海神が眼前に居るかの如く、自分も参加しているように、饗宴する人々の姿を温かく捉え続けてきた。博物館の仕事の一つは、記録資料を残すことであるから、20数年数万点と推定される阪本さんの写真の存在を知り、この写真展を企画した段階では、消え行く祭りの記録を中心とした展示を考えていたが、その考えは捨てた。阪本さんの写真の一枚一枚が、決して祭りは消えることがないと、伝えているからだ。

【阪本博文プロフィール】
1952年伊勢市生まれ
1987年フリーカメラマンとして独立以来、地域の祭、民俗、風土などを中心に撮影活動中。2004年三重の祭の写真集「晴れやかな持続へ」を発刊、同題の巡回写真展も開催。’05年より伊勢神宮式年遷宮の諸祭行事の撮影を続けている

■お問合わせ

海の博物館
三重県鳥羽市浦村町大吉1731-68
TEL:0599-32-6006   FAX:0599-32-5581